クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「いらっしゃいませー! 体験型迷路、大人気ですよー!」

午後のシフトに入った私たちのクラスの「体験型迷路」は、なかなか大盛況。
私と葵、ゆいの3人で受付や案内をこなしていると、遠くからドタバタと大きな足音が近づいてきた。

「あーっ! 一ノ瀬ちゃんたち! 助けて〜!」

「えっ、結城くん!?」

頭を抱えながら走ってきたのは、冴くんの友達の結城くんだった。

「冴いないんだけど知らない!? あいつと一緒に屋台回りたかったのにさ〜! ノリわりぃーーー!」

「ふふ、結城くんフラれちゃったの?」

葵に突っ込まれて、結城くんはガックリと肩を落とす。

「ひどいだろー! 俺が『やきそば奢るから行こうぜ』って誘ったのに、『ウザい。消えろ』の一言でどっか行っちゃったんだぞ! 一ノ瀬ちゃん、冴見かけなかった!?」

「え、ええと……さっき2階の窓際にいるのは見かけたけど……」