クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「あ! 緋奈、あっちでスタンプラリーやってる! 景品豪華らしいよ!」

「本当!? 行こう行こう!」

お化け屋敷でキャーキャー騒いで葵にしがみついたり、縁日コーナーで輪投げに挑戦してゆいが特大ぬいぐるみをゲットしたり。
親友と一緒に過ごす時間は本当にあっという間で、心の底から楽しくて笑顔が絶えない。

「ふふ、高校生の文化祭って、こんなに楽しいんだね……!」

「でしょ〜? 3人でこうして回れて最高の思い出だよ!」

最高の時間を過ごしている最中、ふと校舎の2階の窓に目が留まった。

(あ……氷室くん……?)

窓際にポツンと立ち、喧騒を見下ろしている高い背影。
遠目からでもわかる凛とした姿に、私の胸がトクンと跳ねる。

「緋奈? どうしたの?」

「ううん、なんでもない! ……さ、そろそろ私たちのクラスのシフト時間だね! 頑張ろう!」

「オウよ〜! 迷路の受付、バッチリこなすぞ〜!」

午後の約束――「中庭にいろ」という冴くんの言葉を胸の奥でギュッと抱きしめながら、私は大好きな親友ふたりと受付へと向かったのだった――。