クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

ついにやってきた、私立綾瀬小路学園の文化祭『綾瀬祭』当日!
校門には華やかなアーチが飾られ、朝からたくさんの生徒や来場者で校内は熱気に包まれていた。

「緋奈〜! 見て見て、他クラスの出店めっちゃ美味しそうだよ!」

「ちょっと葵、走ったら危ないって〜! でもたこ焼きの香ばしい匂い、サイコーだね!」

シフト前の自由時間、私と葵とゆいは3人で廊下を駆け回っていた。
カラフルな装飾で飾られた校舎、どこからか聴こえるバンドの演奏音。まさに「青春!」という雰囲気にテンションが上がりっぱなしになる。

「まずはあっちの映えスイーツのお店行こうよ! 写真撮ろ!」

「いいね! ゆい、スマホ出して〜!」

親友たちとワイワイ言いながら買ったのは、カラフルな綿あめとイチゴが乗った限定クレープ。
校庭のベンチに並んで座り、スマホのインカメラを向ける。

「はい、チーズ!」

パシャリと撮れた写真には、口元に生クリームをつけた私と、弾けるような笑顔の葵、優しく微笑むゆい。
「緋奈可愛すぎ〜!」とふたりに挟まれてワシャワシャと頭を撫でられ、私は思わず笑い声をあげてしまった。