クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

放課後、綾瀬祭の準備が再開された。
迷路のダンボール組み立ても終盤に入り、教室の中はワイワイと活気に満ちている。

「緋奈ちゃん、そっちのテープ切ってもらっていい?」

「あ、うん! 今行くね!」

作業に集中しようとするけれど、どうしても視線が後ろにいってしまう。
男子グループの中心で黙々と木枠を固定している冴くん。袖を折った腕や集中した横顔が目に入るたび、胸の奥がキュッと熱くなった。 

「おい冴ー、一ノ瀬ちゃんのこと見すぎだろ」

作業の手を止めた結城くんが、冴くんにニヤニヤしながら声をかけた。

「……見てねぇよ。作業しろ」

「いやいや絶対見てたって! さっきから視線が一ノ瀬ちゃんの方にしか行ってないじゃん笑」

結城くんの大きな声に、周りにいたクラスメイト数人がクスッと笑う。
私は顔が一気に熱くなって、手に持っていたガムテープをギュッと握りしめた。