クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「うるせぇぞ、煌月。朝からハエみたいにたかるな」

机に伏していた冴くんが顔を上げ、冷たい視線で煌月さんを睨みつけた。
だけど、その耳の先端はまだほんのり赤い。

「あれ、冴くん起きてたの? 登校早々ご機嫌斜めだね。しかして……寝不足?」

「……お前には関係ねぇ」

冴くんは不機嫌そうにそっぽを向き、再び机に突っ伏してしまった。

「ふふっ、わかりやすすぎ」

煌月さんは私だけに聞こえるような小声で囁いてくると、楽しそうにクスッと笑った。

「一ノ瀬さん、冴くんのあんなに余裕がない顔、私入学してから初めて見たよ。……そろそろ『ただの友達』は苦しくなってきたんじゃない?」

「え……?」

耳元で言われた言葉に、私の胸がドクンと大きく跳ね上がる。
返事に詰まっていると、朝のホームルームを告げるチャイムが廊下に鳴り響いた――。