クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「……なんだよ、その距離」

「えっ」

気づけば、私は冴くんから5メートルくらい離れた位置に警戒するように立っていた。

「い、いやっ! 近づくと……なんか、その……!」

「……はぁ」

冴くんは耳の先を真っ赤にしたまま深く溜め息をつくと、「早く来い、バカ」と低く呟いて歩幅を緩めてくれた。
昨日までの『ただの友達』にはもう戻れない距離感に、私の心臓は朝から暴れ馬みたいに跳ね上がっていた――。