クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

友達……友達だよね?
なのに、なんでこんなに胸が苦しくて、息がうまく吸えなくなっちゃうの……?

「ひ、氷室くん……っ、離れて……!」

パニックになってぎゅっと目を瞑りながら叫ぶと、冴くんはハッとしたように体を離した。

「あ……悪い。……大丈夫か」

一気に離れた体温がなんだか急に寂しくて、私は赤くなった顔を両手で隠しながら必死に頷く。

「う、うん! 大丈夫! ちょっと驚いちゃっただけだから……!」

気まずい沈黙が教室に流れる。
そっと指の隙間から冴くんの様子を窺うと、彼はカバンを握りしめたまま、そっぽを向いて立ち尽くしていた。

夕日に照らされた彼の耳と首元が、私の顔と同じくらい真っ赤に染まっている。

(あれ……? 氷室くんも照れてる……?)

いつもクールで表情を変えない冴くんの、見たこともない表情に、私の胸がドクンと大きく跳ね上がった。