クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

二人きりの教室に、カリカリとペンを走らせる音だけが響く。
視線を感じて恥ずかしくて、私はつい字を間違えてしまった。

「あ……」

「ほら、集中しろ。俺の顔ばっか見てるからだろ」

「み、見てないよ……っ!」

「嘘つけ。思いっきり意識してただろ」

氷室くんはフッと小さく笑うと、机に置いてあった私の消しゴムを拾って、間違えた箇所をそっと消してくれた。

「……まあ、意識されてる方が俺としては都合いいけどな」

「え……? 何か言った……?」

「別に。早く書いて帰るぞ」

聞こえるか聞こえないかくらいの低音で呟かれた言葉。
聞き返しても氷室くんはフイッと窓の外を向いてしまった。