クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

昨日の下校から、なんだか氷室くんと話すのが上手くできない。

妹の練習台……なんだよね? でも、煌月さんの言葉が頭から離れないよ……

モヤモヤした気まずさを抱えたまま、私は放課後の教室で一人、日誌を書いていた。

「一ノ瀬、まだ残ってたのか」

ガラッと扉が開いて、カバンを担いだ氷室くんが入ってくる。
部活が終わったみたいで、少し汗ばんだ首元をタオルで拭いていた。

「あ、氷室くん。うん、日誌の当番で……」

「そっか。じゃあ待ってるから、終わったら一緒に帰るぞ」

当然みたいにそう言って、氷室くんは私の前の席にクルッと反対向きに座った。
肘を机について、じっと私の手元を見つめてくる。

「え、待ってなくても大丈夫だよ……?」

「俺が待ちたいの。文句あるか」

どこか不機嫌そうに素っ気なく言うけれど、追い払うような冷たさは全くなかった。