クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

冴くんの目が丸くなり、次の瞬間、パッと花が咲くような綺麗な笑顔……を隠すように、そっぽを向いて口元を手に当てた。
耳の先端がほんのり赤くなっている。

「……そうか。じゃあ、一緒に帰るぞ」

「う、うん……っ」

並んで歩く帰り道。
合宿での出来事や、煌月さんに言われた『冴くんの好きな人』という言葉が頭を離れなくて、私はいつもみたいに上手く喋れなくなっていた。

「……一ノ瀬」

「ひぁいっ!?」

変な声が出た私を見て、冴くんはクスッと小さく笑うと、歩幅を緩めて私の隣に寄り添った。

「なんか今日、ずっと顔赤いけど……具合悪いのか?」

「ふ、痛くないよ……! 具合も悪くない……っ」

「じゃあ何でそんな遠くに歩いてんだよ。……ほら、こっち来い」

冴くんは私の手首をキュッと掴むと、車道側から歩道の内側へと引き寄せた。
触れられた手首から熱が広がっていく。

ダメだよ……前よりもっと、氷室くんの言葉や仕草にドキドキしちゃう……っ

プロデューサー煌月さんの言葉のせいで、私の心臓はもう、限界突破寸前だった――。