クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

合宿が明けて、新学期が始まった。

「はい、一ノ瀬さん! 今日からミッション開始よ!」

放課後の教室。誰もいなくなったタイミングで、煌月さんが私の机をバンッと叩いた。

「み、ミッション……?」

「そう! 冴くんと二人で下校すること! 冴くんは部活の書類提出でちょっと遅れるらしいから、下駄箱で待ちなさい!」

「えぇっ!? で、でも氷室くんに迷惑じゃ……それに、私なんかが待ってたら……っ」

「はいストップ! 『私なんか』は禁止! 冴くんが誰を好きなのか、自分の目で確かめて来なさーい!」

背中をグイグイ押されて、私は逃げるように昇降口へと向かった。

どうしよう……煌月さんに言われたけど、やっぱり緊張する……

心臓をバクバクさせながら下駄箱の影で待っていると、廊下の奥から足音が聞こえてきた。

「……一ノ瀬? 何してんだ、こんなところで」

カバンを肩にかけた冴くんだった。
不意に名前を呼ばれて跳ね上がると、氷室くんは不思議そうに私を覗き込んでくる。

「あ、あのね……氷室くんを、待ってて……」

「……俺を?」