クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「緋奈〜〜っ! 無事だった〜〜っ! 急にいなくなっちゃうからすっごく心配したんだよ〜〜!?」

肝試しが終わった後の広場で、葵とゆいが涙目になりながら私に抱きついてきた。

「ごめんね二人とも、私が転んじゃって……。氷室くんが見つけてくれたから大丈夫だよ」

二人にお詫びをしてから女子部屋に戻ると、廊下の奥から煌月さんが歩いてくるのが見えた。
なんだか少しだけ、目を赤くしている気がする。

「……あ、一ノ瀬さん」

「煌月さん……? 大丈夫……?」

煌月さんはハッと強がるように胸を張ると、フンッと鼻を鳴らした。

「ふ、ふん! 全然大丈夫よ! ちょっと……さっき冴くんに告白して、見事に玉砕してきただけだから!」

「えっ……!? こ、告白……!?」

思い切った行動に驚く私に、煌月さんはため息をつきながら言葉を続けた。

「『好きなやついるから無理』だってさ! バッサリ振られちゃったわよ……」

「そ、そうだったんだ……」

氷室くんに……好きな人が……?