クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

合宿最後の夜。施設側が企画した「夜の肝試し大会」が開催されることになった。

「ひ、緋奈〜〜っ! 助けてぇぇ!」
「私、もう一歩も進めない……っ!」

半泣きで私に抱きついてくるのは、葵とゆいだった。
女子部屋で「3人グループだから割れちゃう」と心配していたけれど、肝試しは好きな人数で回ってOKとのことで、無事にいつもの3人でグループを組むことができたのだ。

「ふ二人とも大丈夫だよ……! 施設のおじさんが脅かしてくるだけだから……っ」

強がりを言いつつも、暗い裏庭のコースは街灯も少なくて、私の心臓もバクバクといっていた。

――ウワーーーーッ!!

「「きゃあぁぁぁぁぁっ!!」」

仕掛けの音と同時に、葵とゆいが脱兎のごとく前方へ走り去っていく。

「あ、葵! ゆい……っ!?」

二人を追いかけようとした瞬間、足元の木の根っこに引っかかって派手に転んでしまった。

「痛っ……! メガネ、メガネ……っ」

暗闇の中で落としたメガネを探そうと地面を這うけれど、暗くて何も見えない。
遠ざかっていく葵たちの悲鳴。完全に取り残されてしまい、途端に恐怖が押し寄せてきた。

どうしよう……怖いよっ……