クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

翌日のホームルーム。
担任の先生が黒板に大きく文字を書き叩いた。

「えー、来月開催される体育祭の実行委員だが…⋯各クラス男女1名ずつだ。誰か立候補はいるか?」

その言葉が出た瞬間、教室内に重苦しい沈黙が流れる。

時期は初夏。これからどんどん暑くなる中、放課後のグラウンド整備や用具の準備、当日の進行までこなさなきゃいけない体育祭委員は、誰もが嫌がる大変な役職だ。

みんな露骨に目をそらし、下を向いている。

かく言う私も必死に目をそらしていた。

「誰もいないなら先生が指名するぞー」

先生の言葉に、後ろの席の派手な女の子が声をあげる。

「先生〜! 緋奈ちゃんとかどうですか? 真面目だし、適任だと思います!」

「えっ、わ、私!?」

突然名前を呼ばれて、私は思わず声を裏返らせてしまった。

「あ、それいい! 緋奈ちゃんなら安心〜!」
「緋奈ちゃんお願い! 押し付けてごめんねっ」

押しに弱い私は、「え、あ、あの……」としどろもどろになっている間に、クラスの雰囲気に押し切られてしまった。

うぅ……断れなかった……。どうしよう、体育祭の準備ってすごく大変そうなのに……