クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

バスに揺られること約二時間。緑豊かな山奥にある研修施設に到着した私たちは、着いて早々、大広間でみっちりと勉強漬けになっていた。

「う〜……もう頭が割れそう……」

机に突っ伏しそうになる私に、隣の氷室くんが呆れたように溜め息をつく。

「おい。まだ二時間しか経ってねぇぞ。ほら、ここ間違ってる」

「うぐっ……氷室くん、教え方スパルタすぎない……?」

「お前がアホなミスするからだろ。」
ふいっと横を向く氷室くん。
その向かいの席で、綺音ちゃんがシャープペンシルをぎゅっと握りしめながら、じーっと私たちを見つめていることにも、私はまだ気づいていなかった。