クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

そして、氷室くんの席の横を通る瞬間、少し緊張した様子で足を止めた。

「あのっ……! 煌月綺音です! よろしくね……っ!」

上目遣いで、一生懸命に可愛い笑顔を向ける煌月さん。

だけど、氷室くんはチラッと一瞬だけ目線をやると、恐ろしいほど冷たい声で言い放った。

「……邪魔。どいて」

氷のような一蹴。普通なら泣き出してしまいそうな対応なのに、煌月さんは「ひ、冷たい声もカッコいい……!」と目を輝かせて、ポッと頬を赤くしている。

わ……凄まじい一目惚れだ……!

驚く私をよそに、後ろの席についた煌月さんは、じーっと氷室くんの後頭部を熱い視線で見つめている。

なぜかその光景を見て、私の胸の奥がほんの少しだけチクッと痛んだ気がした。
私はその違和感の正体が分からないまま、ただ手の中のシャープペンシルを強く握りしめることしかできなかった――。