あの資料室の事件から、数日が過ぎた。
あれほど続いていた嫌がらせは、嘘みたいにピタリと止まっていた。
それどころか、ファンクラブの女子たちが私とすれ違うたび、なぜか怯えたようにそそくさと道を譲ってくれるのだ。
うーん、なんでだろう……? 飽きちゃったのかな?
理由が分からず首を傾げていると、お昼休みの席で葵とゆいがニヤニヤしながら私を覗き込んできた。
「ねえねえ、緋奈〜」
「嫌がらせが止まった理由はともかく、さ……『アレ』は何なの?」
葵がチラッと目線で指した先。
それは、私の席のすぐ隣で、壁に背をもたれかけながら不機嫌そうにスマホをいじっている氷室冴くん……と、その隣で爆笑している氷室君の友達、結城くんだった。
「いやーマジでウケる。冴が女子のパン運んでるとこ、歴史的瞬間だったわー」
「蓮、うるさい。殺すぞ」
「怖っ! でもさー、一ノ瀬ちゃんが転ばないか心配で荷物持ちしたんでしょ? なにその過保護なお兄ちゃんムード!」
「……違ぇよ」
結城くんのからかいを冷たくあしらう氷室くん。
でも、二人の会話を聞いていた私は、頭の上にぽかんとハテナを浮かべた。
(過保護なお兄ちゃん……? 氷室くんがお兄ちゃん……?)
(あ! そっか! 氷室くんって一人っ子なのかな? だから妹が欲しくて、私を妹みたいに思ってくれてるのかな…?)
一人で「なるほど〜!」と勝手に納得している私を見て、葵とゆいがズッコケた。
あれほど続いていた嫌がらせは、嘘みたいにピタリと止まっていた。
それどころか、ファンクラブの女子たちが私とすれ違うたび、なぜか怯えたようにそそくさと道を譲ってくれるのだ。
うーん、なんでだろう……? 飽きちゃったのかな?
理由が分からず首を傾げていると、お昼休みの席で葵とゆいがニヤニヤしながら私を覗き込んできた。
「ねえねえ、緋奈〜」
「嫌がらせが止まった理由はともかく、さ……『アレ』は何なの?」
葵がチラッと目線で指した先。
それは、私の席のすぐ隣で、壁に背をもたれかけながら不機嫌そうにスマホをいじっている氷室冴くん……と、その隣で爆笑している氷室君の友達、結城くんだった。
「いやーマジでウケる。冴が女子のパン運んでるとこ、歴史的瞬間だったわー」
「蓮、うるさい。殺すぞ」
「怖っ! でもさー、一ノ瀬ちゃんが転ばないか心配で荷物持ちしたんでしょ? なにその過保護なお兄ちゃんムード!」
「……違ぇよ」
結城くんのからかいを冷たくあしらう氷室くん。
でも、二人の会話を聞いていた私は、頭の上にぽかんとハテナを浮かべた。
(過保護なお兄ちゃん……? 氷室くんがお兄ちゃん……?)
(あ! そっか! 氷室くんって一人っ子なのかな? だから妹が欲しくて、私を妹みたいに思ってくれてるのかな…?)
一人で「なるほど〜!」と勝手に納得している私を見て、葵とゆいがズッコケた。

