クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「――次言ったら、マジでタダじゃ置かねぇぞ」

俺の放った一言が、夕暮れの空気をピキッと凍らせた。

「一ノ瀬が何をした? 俺に話しかけられたから普通に返事をしてただけだろ。勝手に僻んで、影でコソコソ嫌がらせして……最低だな」

言い訳をしようとしたリーダー格の言葉を遮り、吐き捨てる。

「あいつに手ぇ出すってことは、俺に喧嘩売ってんのと同じだ。次一ノ瀬に何かしてみろ。お前ら全員学校にいられないようにしてやるからな」

「……っ!!」

女子たちは恐怖でガタガタと震え、誰一人として言葉を返すことができなかった。

「二度と一ノ瀬に近づくな」

冷たく吐き捨て、俺は振り返りもせずにその場を去った。

夕闇が迫る校舎。
ポケットの中で拳を強く握りしめながら、俺は自分の胸の奥で荒れ狂う感情に酷く困惑していた。

…なんであんなに頭に血が上ったんだ、俺……

どうやら俺は理解できない感情を抱えてしまったようだ。