クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

数日後。ファンクラブの嫌がらせは、ついに「地味な悪戯」の域を超え始めていた。

放課後。私は先生に頼まれて、一人で特別教室棟の資料室へ書類を運び込んでいた。

「ふぅ……これで全部かな。葵たち待たせてるし急がなきゃ」

用事を済ませて帰ろうとした、その時。

ガチャッ、ガタコンッ!

「……え!?」

突然、外から重い音が響き、ドアがびくとも動かなくなった。
外からドアノブに何かを挟まれたみたいだ。

「誰か、助けて!」

トントンと扉を叩くけれど、日の落ちかけた校舎に返事はない。じわじわと冷や汗がこめかみを伝う。

その頃、教室。

「ねえゆい、緋奈遅くない? 先生のところ行くだけなのに……」

「うん……スマホも置いたままだし。ねえ、緋奈って最近ちょっと元気なくなかった?」

「あ、ゆいも思った? なんか隠してる気がして心配なんだよね……」

片付けを終えた二人が不安そうに話していると、荷物をまとめた氷室くんが通りかかる。
葵は思わず声をかけた。

「ねえ氷室くん! 緋奈見なかった!? 資料室の方行ったきり戻ってこなくて……」

「……あいつが?」