体育祭の当日。私たち体育祭委員は朝早くから集まっていた。
「一ノ瀬〜! こっちの用具の点検、手伝ってくれ!」
「はいっ! すぐ行きます!」
私はメモ帳を片手に、グラウンド中をバタバタと走り回っていた。
委員の仕事は山積みだったけれど、みんなが楽しみにしている体育祭を成功させたくて、夢中で手を動かした。
「……お前、相変わらず要領悪いな」
聞き覚えのある冷ややかな声。振り返ると、冴くんが呆れ顔で立っていた。
「氷室くん! でもね、もうすぐ全部終わるよ! 氷室くんが重い荷物運んでくれたおかげで、すごく助かっちゃった」
そう言って笑いかけると、冴くんはどこか気まずそうにフイッと視線を逸らした。
「……俺は自分の分をやっただけだ」
「ううん、氷室くんは口では厳しいこと言うけど、本当は誰よりもちゃんと見てくれてるもん。私、氷室くんとペアになれて本当によかった!」
真っ直ぐに伝えると、冴くんは小さく息を吐き出し、乱暴に自分の髪を掻き揚げた。
「……お前、ほんとバカだな」
ボソッと呟かれた声は、いつもの冷たさではなく、どこか柔らかい響きを含んでいた。
「一ノ瀬〜! こっちの用具の点検、手伝ってくれ!」
「はいっ! すぐ行きます!」
私はメモ帳を片手に、グラウンド中をバタバタと走り回っていた。
委員の仕事は山積みだったけれど、みんなが楽しみにしている体育祭を成功させたくて、夢中で手を動かした。
「……お前、相変わらず要領悪いな」
聞き覚えのある冷ややかな声。振り返ると、冴くんが呆れ顔で立っていた。
「氷室くん! でもね、もうすぐ全部終わるよ! 氷室くんが重い荷物運んでくれたおかげで、すごく助かっちゃった」
そう言って笑いかけると、冴くんはどこか気まずそうにフイッと視線を逸らした。
「……俺は自分の分をやっただけだ」
「ううん、氷室くんは口では厳しいこと言うけど、本当は誰よりもちゃんと見てくれてるもん。私、氷室くんとペアになれて本当によかった!」
真っ直ぐに伝えると、冴くんは小さく息を吐き出し、乱暴に自分の髪を掻き揚げた。
「……お前、ほんとバカだな」
ボソッと呟かれた声は、いつもの冷たさではなく、どこか柔らかい響きを含んでいた。

