クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「う〜、暑い……っ!」

放課後のグラウンド。じりじりと照りつける太陽の下で、私は汗を拭いながら手元のチェックリストに目を落とした。

今日から本格的に始まった体育祭の準備。
委員の仕事として、グラウンドに置かれている器具やテントの骨組みなどの点検作業をしに来ていた。

「おい」

「えっ……きゃっ!?」

不意に呼ばれて振り返った瞬間、目の前から飛んできた冷たい物体が胸元にパシッと当たった。
慌てて両手で受け止めると、それは水滴のついたキンキンに冷えたスポーツドリンクのペットボトルだった。

「うう……びっくりしたぁ……」

「ボーッとしてんじゃねぇよ。倒れられたら迷惑なんだよ」

視線の先には、木陰に立ちながら呆れたように私を見下ろす氷室くんの姿があった。