クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「……行くぞ」

不機嫌そうな態度は相変わらずだけど、私の歩幅に合わせて心持ちゆっくり歩いてくれている気がする。

静まり返った夕暮れの廊下を、二人並んで歩く。
橙色の夕陽が廊下に長い影を落とし、私たちの足音だけが響いていた。

さっき……すごく近かった……。氷室くんの手、すごく温かかったな……

さっきのぬくもりとミントの匂いが頭から離れず、私の胸はまだドキドキと小さく跳ねていた。