クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

ドサッと胸の中に抱き留められるような形で、私は誰かの体を受け止めていた。

床の冷たさではなく、固くて温かい感触。そして鼻腔をくすぐる、あの爽やかで冷たいミントの香り。

「つ……っ、お前バカだろ。自分の足に引っかかってどうすんだよ」

頭上から降ってきたのは、呆れを含んだ低い声。

ゆっくりと薄目を開けると、すぐ目の前には氷室くんの整いすぎた顔があった。
私の腰のあたりに回された彼の大きな手と、胸が触れそうなほどの超近距離。

へ……!? ひ、氷室くん……!?

状況を理解した瞬間、一気に顔から火が出そうなくらい熱くなる。
ドックンドックンと、自分の心臓の音がうるさいくらいに打ち鳴らされた。

「ご、ごごごめんなさいっ!!」

真っ赤になりながら慌てて飛び退くと、氷室くんはフッと腕を解き、面倒くさそうに制服の袖を整えた。

「……どんだけドジなんだよ」

「うぅ……助けてくれてありがとう……」

ドジと言われたことに軽くショックを受けたが事実なので反論できない。