クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「ふぅ……これで、今日の分は終わり……かな?」

時計の針はすでに下校時刻の少し前を指していた。
体育館側の用具リストを書き終えてパタンとペンを置くと、向かい側に座る氷室くんも、タイミングを合わせたようにすっと資料を整えた。

グラウンド側の複雑な割り振りも、彼の手にかかれば完璧に整理されている。

「終わったなら、さっさと提出して帰るぞ」

「あ、うん! 先生、職員室にいるかな……」

二人で席を立ち、パイプ椅子を片付けようと私が手を伸ばした、その時――。

「わわっ……!」

慌てて動いたせいで、机の端に置かれていたパイプ椅子の脚に自分の足を思いきり引っかけてしまった。
ガタッと大きな音が響き、グラリと視界が大きく傾く。

倒れる――!

ギュッと目を瞑り、床にぶつかる衝撃を覚悟した瞬間。

ガシッ、と力強い腕に腕を掴まれ、グッと強い力で引っ張り上げられた。