クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

えっ……手伝って、くれるの……?

口では「ウザい」「バカ」なんて酷いことばかり言っているのに。
彼は資料から視線を外さないまま、胸ポケットからカチッと黒のボールペンを取り出した。

「……おい」

「は、はいっ!」

突然名前を呼ばれて、私は背筋をピーンと伸ばして返事をした。

「器具のチェックリスト、グラウンド側と体育館側で分かれてる。これ、今日中に大枠だけ決めねぇと提出できねぇだろ」

「あ、うん! 先生が『今日中に割り振りだけ出して』って言ってた……」

「じゃあグラウンドは俺がやる。力仕事混ざるし、お前じゃ絶対無理だろ。お前は体育館側の用具リストまとめろ」

サッサッと手際よくペンを走らせ、私の担当分の紙だけをスッと目の前に差し出してくる氷室くん。

す、すごい……。一瞬で内容を把握して、役割分担まで決めてくれた……!

冷たい態度とは裏腹に、氷室くんの仕事の早さと的確さに、私は言葉を失ってしまった。