クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「……っ、合うに決まってんだろ……!」

突然、ぐいっと腕を引かれて、私は冴くんの広い胸の中に閉じ込められた。
どくどくと冴くんの激しい鼓動がダイレクトに伝わってきて、顔が一気に熱くなる。

「冴、くん……?」

「……バレンタインとか興味ねぇフリしてたけど……本当は、一日中生きた心地しなかった……。緋奈が誰かに渡してたらどうしようとか……俺にもらえなかったらどうしようって……」

頭の上から降ってくる低くて甘い声に、胸がぎゅっと締め付けられる。
背中に回された冴くんの腕にぎゅっと力がこもった。

「俺以外の奴に渡してねぇよな? ……渡してたら、絶対許さねぇから……」

「渡すわけないよ……! 私のバレンタインは、冴くんだけのものだもん」

腕の中でそう呟くと、冴くんはハッと息を吐き、身体を離して私の両頬を優しく包み込んだ。
至近距離で見つめ合う瞳は、熱い愛おしさと独占欲で潤んでいる。

「……可愛いこと言うな。……我慢できなくなる」

「んっ……」

重なる唇から伝わるのは、甘くて痺れるような温度。

「……最高のチョコ、ありがとな、緋奈。……一生、離してやんねぇから」

放課後の静かな踊り場で、冴くんの甘い誓いの言葉が、いつまでも私の心に響き渡っていた――。

fin♡