クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「で? 結局手作りか市販か、決まったの?」

放課後、葵とゆいに連れられてやってきたのは、学校帰りにみんなでよく寄るカフェだった。
目の前でストローをくるくる回しながら、葵が興味津々に身を乗り出してくる。

「それが……全然決められなくて……」

私はカップを両手で包み込みながら溜息をついた。

「手作りは想いがこもるけど失敗が怖いし……。かといって市販の高級チョコだと、想いこもってないと思われて受け取ってくれないかな、とか⋯」

「あはは! 冴に限ってそれはないでしょ!」

葵が吹き出すように笑う。

「あのね緋奈。冴はね、緋奈からもらえるなら『ブラックサンダー1個』でも跳び上がって喜ぶタイプだよ? だから『どっちが嬉しいか』じゃなくて『緋奈がどっちをあげたいか』で選びなよ」

ゆいの言葉に、ハッと胸が突かれる。
喜んでほしい一心で冴くんの顔色ばかり気にしていたけれど、一番大切なのは私がどうしたいかだ。