クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

その日の放課後。
怪我もすっかり良くなった冴くんと、一緒に並んで下校する。

「……緋奈? なんか今日、ずっとぼーっとしてないか?」

歩幅を合わせて歩いてくれていた冴くんが、覗き込むように私の顔を見つめてきた。

「えっ!? あ、ううん! なんでもないよ!」

「……嘘つけ。絶対なんかあるだろ」

冴くんは少し眉をひそめると、歩道を歩く私の右手を、自然な動作でギュッと握りしめてきた。

「……俺に言えないことか? また何か悩んでんなら言えよ」

低く掠れた声に、かすかな嫉妬と独占欲が混ざっているのが分かって、胸が跳ね上がる。

「ち、違うの! 冴くんのこと考えてただけ……っ!」

慌てて弁明すると、冴くんは一瞬目を見開いたあと、かっと顔を赤くしてプイッと横を向いた。

「……っ、紛らわしい言い方すんな」

繋いだ手に少しだけギュッと力がこもる。
照れくさそうに口元を隠しながら、冴くんはボソッと視線を泳がせた。
どうしたんだろう?