クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「な、緋奈。俺ら恋人ってことだよな」

近すぎる距離でまっすぐに見つめられて、思わず顔が耳まで真っ赤になる。

「う、うんっ……」

コクコクと頷くのが精いっぱいの私を見て、冴は満足そうに目を細めたと思ったら、低く掠れた声で呟いた。

「なら……キスしていい?」

「っっっ!?」

あまりの言葉に心臓が大きく跳ね上がり、固まってしまった私を見て、冴はくすりと小さく笑う。
そして私の返事を待つことなく、無事な方の腕でぐっと私の背中を抱き寄せた。

「あ、ごめん待てねぇわ」

周りに誰かが来るかもしれない病室の廊下で、降ってきたのは驚くほど優しくて、少し強引な唇の触れ合い。
遠くからジュースを買いに行った結城くんたちの足音が聞こえてくるような気がして、私の顔は限界まで真っ赤に染まっていた――。

本編、fin。