クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

放課後、皆で病院へ向かった。
案内された病室の前の廊下で、腕に包帯を巻き、足に湿布を貼って車椅子に座っている氷室くんの姿を見つける。

「冴! 大丈夫かよ!?」

「氷室くん……!」

結城くんたちがドタバタと駆け寄る中、私は生きていてくれた安心感で膝が震えた。

「あ……大げさだな、お前ら。ちょっと転んだだけだ。大したことねぇよ」

「大したことないわけないでしょ……っ!」

半泣きで必死な私を見て、結城くんが「あ……察し」という顔をして葵たちの背中を押す。

「お、俺たちジュース買ってくるわ! さ、葵たちも行くぞ!」

「え、あ、うん! 邪魔者は退散ね!」

みんなが気を遣って露骨に離れていき、廊下に二人きりになる。
私は車椅子の前にかがみ込み、氷室くんの無事な方の手をぎゅっと握りしめた。

「私……本当に怖かったの。私、氷室くんのことが好きっ…!」

軽い事故だったから良かったけどもしこれが大変な事故だったらと思うと怖くて怖くて。


言わないで、後悔したくないよっ⋯⋯!!