クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「じゃ、じゃあな二人とも! 邪魔したなっ!」

「あ、ちょっとみんな……っ!?」

私が引き留める暇もなく、結城くんを先頭に葵たちまでもがクモの子を散らすような勢いで人混みの奥へと走り去ってしまった。
完全に気を遣われて残された参道で、私は呆然とみんなが消えた方向を見つめることしかできない。

「……行ったか」

「氷室くん……っ、みんなすごく変に気を遣ってたよ……!?」

あ、アピールするって言ったのは聞いたけどや、やりすぎじゃないかな⋯?

「いいだろ、邪魔が入らなくて」

氷室くんは繋いだ手にくいっと力を込めると、私を引き寄せるようにして歩き出した。

「ほら、行くぞ。甘いもんでも食うか」

「〜〜〜っ」

周りの目を引くほどのイケメンな彼に、堂々と恋人繋ぎでリードされる神社。
みんなの気を遣う姿を思い出して恥ずかしさに悶えつつも、繋がれた手の温もりに私の胸は甘く締め付けられていた――。