クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「おい蓮、冴、カラオケ行くぞー!」とクラスの男の子が声をかけると、後ろの席で荷物をまとめていた結城くんが即座に反応した。

「いくいく! マジで今日歌いたかったんだよね!」

「冴も行こうぜ〜!」

結城くんが隣の氷室くんに声をかけると、氷室くんはカバンのチャックを締めながら、いつもの冷めた調子で短く答える。

「俺はいい。騒がしいところはパス」

「えー、なんだよ冴、たまには付き合えって! 飯奢るからさ!」

「いらん。離れろ」

結城くんが氷室くんの肩を叩いてしつこく誘うが、氷室くんは「ウザい」と鬱陶しそうに腕を払っていた。

結局、蓮が「まあまあ一時間だけでも!」と強引に氷室くんの腕を引っ張り、氷室くんは「ハァ……マジでしつこい」と心底嫌そうな溜息をつきながら、渋々カバンを担ぎ直した。

「やったー、冴ゲット! じゃあみんな行こうぜ!」

そして、みんなで駅前のカラオケ店へと向かうのだった――。