クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

そのとき、ガラガラッと会議室のドアが開き、他クラスの実行委員たちが賑やかになだれ込んできた。

「うわ、もう誰か来てる〜」
「うちのクラス、女子がグラウンド担当でいい?」
「おけ〜、じゃあ男子の俺が器具出しの確認しとくね!」

パイプ椅子を寄せて楽しそうに雑談しながら資料を広げる他クラスのペアたち。

その中の女子生徒数人が、窓際に立つあの『氷の王子様』の姿に気づき、「えっ、氷室くん……!?」と驚いたようにこちらを盗み見し始めた。

他クラスの和やかな空気とは対照的に、私と冴くんの周りだけ、まるで氷点下のシベリアみたいな冷気が漂っている。

「あ、あの! 体育祭の書類、先生から預かってきたの。まずは内容の確認と、スケジュールを決めなきゃいけなくて……」

私が緊張で声を震わせながら資料を渡そうと差し出すと、冴くんはそれを横目でチラリと見ただけで、受け取ろうともしなかった。

「そんなの、適当に書いて出せばいいだろ」

「えっ……? で、でも、ちゃんとやらないと体育祭本番でみんなが困るし……」

「は? なんで俺がそんな面倒なこと付き合わなきゃなんねぇの」

冴くんはポケットに手を突っ込んだまま、心底面倒そうに冷たい瞳で私を見下ろしてくる。

「俺はやる気ないって言っただろ。やりたい奴が勝手にやれば?」

「っ……」

容赦なく投げつけられた冷たい言葉。
楽しそうに打ち合わせを進める周りの声が遠く聞こえて、胸がキュッと痛くなった。

私……やっぱり邪魔なだけなのかな……