クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

西日が強く差し込む室内。窓際のパイプ椅子に深く腰かけ、つまらなさそうにスマートフォンを眺めていた氷室冴くんが、ゆっくりとこちらへ視線を向けた。

漆黒の髪。夕影を映す、青みがかった冷徹で美しい瞳。

その圧倒的な存在感と冷たい眼光に射抜かれ、私は「ヒッ……」と喉の奥で小さな悲鳴をあげそうになり、思わずドアノブを握る手にギューッと力を込めた。

「ご、ごめんなさい……! クラスの友達と話してて、遅くなっちゃって……!」

ペコペコと頭を下げながら、私は慌てて足早に室内へ入る。

うう……やっぱり怒ってる! 待たされたことにも、私とペアになったことにも絶対イライラしてるよ……!

心臓が早鐘のようにドックンドックンと激しく脈打つ。
あまりの緊張に、胃のあたりがキューッと痛くなってくるのを感じていた。

冴くんはフッと短く息を吐くと、興味なさそうにスマホを胸ポケットに仕舞い、立ち上がった。
すらりと伸びた高い背。近くに寄ると、その背の高さに改めて圧倒されてしまう。

すれ違いざまに、彼からフワッと爽やかでどこか冷たい、ミントのような良い香りがかすかに漂ってきた。

すごくいい匂いがする……。じゃなくて!