クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「……顔、赤いぞ。熱でもあんのか」

心配そうに顔を覗き込んできた氷室くんの手が、私の額に伸びてくる。

「な、なんでもないよ! 氷室くん近いです……っ!」

慌てて一歩後退りすると、氷室くんは差し出した手をピクッと止め、少し傷ついたような、困ったような表情で眉をひそめた。

「……お前、なんか今日変だぞ」

(変なのは、私が氷室くんのこと好きって気づいちゃったからだよ……!)

自分の恋心に振り回される甘酸っぱい朝の登校路。
二人の距離は、昨日までと確実に変わり始めていた――。