クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

「な、なんでもないよ!? ちょっと花火の煙が……!」

「嘘だ〜! さっき氷室くんと一緒に後夜祭見てたで頃でしょ? 何かあったんでしょ〜!?」

ニヤニヤと意地悪な笑みを浮かべる葵に、ゆいも「緋奈、すごく幸せそうな顔してるよ」とクスクス笑う。

「うぅ……ふたりとも意地悪……」

隠しきれない自分の顔の熱さに、私は両手で頬を包み込んだ。
『最高の友達』だなんて誤魔化していた自分には、もう戻れそうにない。

夕闇が深まる帰り道、三人の影が長く伸びていく。

「また明日から普通の学校生活かぁ〜」

「でも、来年の綾瀬祭も絶対この三人で回ろうね!」

「うん……! 絶対ね!」

(氷室くん……明日、どんな顔して会えばいいんだろう……)

自分の気持ちを自覚したことで訪れる、新しい明日へのドキドキを抱きしめながら、私は家路についたのだった――。