クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

後夜祭の花火が上がり終え、綾瀬祭の全日程が無事に終了した。
打ち上げ花火の余韻が残る校庭で、私は葵とゆいと合流して校門へと向かって歩いていた。

「はぁ〜! 綾瀬祭、マジで楽しかったね〜!」

「ほんと。葵がお化け屋敷で腰抜かした時はどうしようかと思ったけど笑」

「ゆい、それは言わない約束でしょ〜!」

隣で楽しそうにはしゃぐ親友ふたりの声を聞きながら、私は自分の胸にそっと手を当てていた。
ドクドクと響く心臓の鼓動が、まだ全然静まってくれない。

(私……本当に、氷室くんのことが好きなんだ……)

さっき屋上の階段で見た氷室くんの真剣な瞳。
『俺は、お前の最高の友達なんかで終わる気サラサラねぇから』という低くて熱い声。

彼の言葉を思い出すだけで、顔から火が出そうなくらい熱くなってしまう。

「ねぇねぇ緋奈〜……さっきからすっごいニヤニヤしてるし、顔真っ赤だけどどうしたの〜?」

不意に葵が顔を覗き込んできて、私は「ひゃい!?」と変な声を上げて飛び跳ねてしまった。