クールな氷の王子は無自覚地味子を独占したい

展示室を出て廊下を歩いていると、他クラスの男子生徒数人とすれ違った。

「あ、冴じゃん。……と、誰? 同じクラスの地味な子?」
「一ノ瀬さんだろ。冴が女子と二人で回るとか珍しすぎだろ……」

コソコソと向けられる「地味な女子となんで冴が?」という視線と囁き声。
私が少し縮こまって俯きかけると、氷室がサッと私の前に割り込み、相手の男子たちを鋭い目力で睨みつけた。

「……用がないなら消えろ」

「冴……! ご、ごめん!」

冷たい圧に押されて男子生徒たちが慌てて去っていく。

「……あいつらの言うことなんか気にするな」

氷室くんはそう言うと周囲の視線から隠すように、私の手首をキュッと掴んだ。

掴まれた手首から彼の熱い体温が伝わってきて、胸の奥が甘く痛むのだった――。