「よろしく」
靴も脱がず、慎吾は我が子と我が子のバッグがひょいと義両親に手渡した。
……いまさらに歳がいもなくコスプレしている姿を、義両親にどう思われるだろうと、気になりだす。
里穂がもじもじしていると、義両親が笑いかけてくれた。
「ゆっくり楽しんでくるといい」
「ああ」
義両親と我が子にバイバイと手を振り、また車中に戻る。
「十時に護孝たちと待ち合わせしているんだ。あいつらも制服を着ているよ」
「ひかるさんも?」
「ああ」
ほっとしたが、ますますなんのイベントかわからない。
駐車場からは徒歩だったが、数分で目的地に着いたらしい。
「俺たちの母校」
校舎が文化祭仕様で飾り立てられていた。
学校名は、日本有数の進学校である。
「文化祭、というよりは現役生同窓生交流会だな」
運転手つきの車から降り立ったのは隠岐夫妻。
こちらも制服をきっちり着込んでる。
ただし、隠岐は迫力がありすぎた。
こんな生徒がいたら、教師はさぞびくついたのではないだろうか。
隠岐CEOは見なかったことにして、彼の妻であるひかるを、里穂は全力で褒めた。
「ひかるさん、現役生みたいですね!」
「里穂さんも似合う!」
「今日一日、この学校の生徒だね! 存分に楽しもう」
「はい!」
二人できゃっきゃしていると、隠岐が重々しく告げた。
「里穂さんも、久しぶりの学生気分を味わってください」
あ、と思った。
中卒の自分に高校生の時間を与えてくれようとしているのだろう。
感謝の目を向けるのだが、慎吾と隠岐は真剣な表情だ。
「『メソポタミア食堂』は捨てがたいな……」
「去年の『バイキング食堂』もよかったしな」
「二人の母校なんだけどね、変わっているの」
相談している二人を前にひかるが耳うちしてくれる。
靴も脱がず、慎吾は我が子と我が子のバッグがひょいと義両親に手渡した。
……いまさらに歳がいもなくコスプレしている姿を、義両親にどう思われるだろうと、気になりだす。
里穂がもじもじしていると、義両親が笑いかけてくれた。
「ゆっくり楽しんでくるといい」
「ああ」
義両親と我が子にバイバイと手を振り、また車中に戻る。
「十時に護孝たちと待ち合わせしているんだ。あいつらも制服を着ているよ」
「ひかるさんも?」
「ああ」
ほっとしたが、ますますなんのイベントかわからない。
駐車場からは徒歩だったが、数分で目的地に着いたらしい。
「俺たちの母校」
校舎が文化祭仕様で飾り立てられていた。
学校名は、日本有数の進学校である。
「文化祭、というよりは現役生同窓生交流会だな」
運転手つきの車から降り立ったのは隠岐夫妻。
こちらも制服をきっちり着込んでる。
ただし、隠岐は迫力がありすぎた。
こんな生徒がいたら、教師はさぞびくついたのではないだろうか。
隠岐CEOは見なかったことにして、彼の妻であるひかるを、里穂は全力で褒めた。
「ひかるさん、現役生みたいですね!」
「里穂さんも似合う!」
「今日一日、この学校の生徒だね! 存分に楽しもう」
「はい!」
二人できゃっきゃしていると、隠岐が重々しく告げた。
「里穂さんも、久しぶりの学生気分を味わってください」
あ、と思った。
中卒の自分に高校生の時間を与えてくれようとしているのだろう。
感謝の目を向けるのだが、慎吾と隠岐は真剣な表情だ。
「『メソポタミア食堂』は捨てがたいな……」
「去年の『バイキング食堂』もよかったしな」
「二人の母校なんだけどね、変わっているの」
相談している二人を前にひかるが耳うちしてくれる。



