ノンデリ男の敗北  ~モテる俺が法学部女子に告白したら「私は好きではありません」と普通に振られた~

夕方、凛と駅へ向かった。

「明日、面接だったよね。」

「うん。結構入りたいとこ。」

そう答えてから、少し黙った。
凛は急かさず、隣を歩いていた。

「……最近さ、就活どうって聞かれるの、ちょっと嫌なんだよね。」

「うん。」

「面接行ってるよ、とか、結果待ち、とか。毎回そんなこと言ってる気がして。」

まだ就活を続けている友達は多かった。
内々定をもらったという話も、ちらほら聞くくらいだった。
それでも、誰かに近況を聞かれると、自分にはまだ報告できる結果がないことを意識してしまった。

「別に、相手も普通に聞いてるだけなんだけどさ。」

「うん。」

「俺だって聞くし。なのに、自分が聞かれると、ちょっと身構える。」

凛が俺を見上げた。

「……早く、決まったって言いたいのかも。」

口にしてから、ああ、それかと思った。
凛は少し考えて、口を開いた。

「聞かれるたびに、気になっちゃうんだね。」

「うん。凛ちゃんが決まったのは、嬉しかったよ。でも、俺も何か一つ、いい報告したいなって。」

「面接でうまく話せなかった日も、話してくれていいよ。」

俺は凛を見た。

「……毎回反省会になるかも。」

「いいよ。聞く。」

凛はそう言ってから、続けた。

「早く決めたい気持ちは分かるけど、そのために、行きたいところを諦めなくてもいいと思う。」

「うん。」

「焦らないで。夏樹くんが好きなところにすればいいんだよ。」