もしも私によめいがあったら


「毎日じゃないけど、結構走るよ」

「絶対私無理だわ」

「私も無理だと思ってたけど、なんか入っちゃった」

「なんで?」

「分かんない」

「何それ」

二人で笑う。

そういう時間が好きだった。

だからこそ、私は茉莉が言うことを疑わなかった。

茉莉が誰かのことを悪く言っていたとしても、

「まあ、そうなんだろうな」

くらいに思っていた。

あいのことだって、そうだった。

茉莉が話すこと。

周りから聞こえてくること。

それらを全部合わせて、

「きっと、そういう子なんだ」

と決めつけていた。

あいが何を考えているのかなんて知らない。

学校でどんな気持ちで過ごしているのかも知らない。

それでも私は、知っているつもりになっていた。



一年生の前半が終わって、夏休みが明けた。

教室の雰囲気も少し変わった。

最初は同じだったグループも、いつの間にか少しずつ変わっている。

新しく仲良くなった人。

前より話さなくなった人。

そんな変化が、毎日の中で少しずつ起きていた。

あいの周りにも、少しずつ変化があった。

ただ、その変化があいにとっていいものだったのか、私には分からない。