「毎日じゃないけど、結構走るよ」
「絶対私無理だわ」
「私も無理だと思ってたけど、なんか入っちゃった」
「なんで?」
「分かんない」
「何それ」
二人で笑う。
そういう時間が好きだった。
だからこそ、私は茉莉が言うことを疑わなかった。
茉莉が誰かのことを悪く言っていたとしても、
「まあ、そうなんだろうな」
くらいに思っていた。
あいのことだって、そうだった。
茉莉が話すこと。
周りから聞こえてくること。
それらを全部合わせて、
「きっと、そういう子なんだ」
と決めつけていた。
あいが何を考えているのかなんて知らない。
学校でどんな気持ちで過ごしているのかも知らない。
それでも私は、知っているつもりになっていた。
*
一年生の前半が終わって、夏休みが明けた。
教室の雰囲気も少し変わった。
最初は同じだったグループも、いつの間にか少しずつ変わっている。
新しく仲良くなった人。
前より話さなくなった人。
そんな変化が、毎日の中で少しずつ起きていた。
あいの周りにも、少しずつ変化があった。
ただ、その変化があいにとっていいものだったのか、私には分からない。

