もしも私によめいがあったら

茉莉と仲良くなったのは、一年生の頃だった。

きっかけなんて、今となってはよく覚えていない。

気がついたら、学校から一緒に帰るようになっていた。

家が同じ方向だったわけじゃない。

でも、通学路の途中までは同じだった。

「今日の授業、長すぎなかった?」

「分かる。眠すぎた」

「ていうか、あの先生さ――」

そんな、どうでもいい話ばかりだった。

先生の愚痴とか、クラスのこととか、部活のこととか。

昨日見たテレビの話をする日もあったし、何も話すことがなくて、二人で黙って歩いている日もあった。

それでも気まずくなかった。

私は、茉莉と一緒にいるのが好きだった。

茉莉も、たぶん同じだったと思う。

一年生の頃の私は、茉莉のことをかなり信頼していた。

親友、と言い切るほどではなかった。

でも、親友になる一歩手前。

何かあったら話したいと思うくらいには、大切な友達だった。

誕生日の日には、一緒に放課後デートをした。

プリクラを撮って、カラオケに行って、マックにも行った。

最後にはイルミネーションも見た。

今思い返しても、楽しかった。

あの頃の私は、茉莉のことを疑うなんて考えたこともなかった。

だから。

茉莉から聞いた話も、当然のように信じていた。



「ねえ、まなつ」

「んー?」

ある日の帰り道。

いつものように茉莉と歩いていた。