もしも私によめいがあったら

今日、あいと駅で遊んできた。

改札を出て、いつものようにどうでもいい話をしながら歩いて、途中でお店を見て、また話して。

そんな、いつもと変わらない一日だった。

……はずだった。

帰り際、あいが少しだけ真面目な顔をして話し始めた。

学校のこと。

茉莉たちのこと。

今まで聞いたことのなかった話。

私は相槌を打ちながら、何度も「そっか」と言った。

でも、正直に言えば、何を言えば正解なのか全然分からなかった。

ただ、あいが話している間は、ちゃんと聞いていたかった。

帰ってきてから、お風呂に入って、制服を脱いで、ベッドに寝転がる。

スマホをいじっているうちに、さっき聞いた話がまた頭に浮かんだ。

あいは、明日も学校に行くのかな。

私だったら、嫌だな。

でも、私にできることなんてあるのかな。

そんなことを考えていたら、急にくだらないことを思いついた。

もしも。

もしも私によめいがあったら。

そしたら、今日聞いたあいの悩みを全部解決してあげよう。

茉莉たちにもちゃんと反省してもらって。

あいと普通に話せるようになって。

それで私は自主退学して、地方の病院で最期を過ごす。

……完璧な計画じゃん。

自分でも意味が分からなくなって、少し笑った。

私は日記の最後に、勢いのまま書き足した。

――もしも私によめいがあったら。

今日聞いたあいの悩みを解決しようと思う!!

そして茉莉たちを反省させて自主退学する!

で、私は地方の病院で最期を過ごす!!