きみがスキ


ながい夢をみていたような

静かに深い眠りのなかで

誰かにずっと呼ばれてるみたいで

真っ暗なのに

声だけは鮮明で

その声がひとり、、

ふたり、、さんにん、、

少しづつ増えて


道も分からない迷路の中を

照らしてくれるみたいに

導いてくれるみたいに


引かれるように

その声の方に…


久しぶりに目を開けた時

となりで手を握ったまま

うっすら涙浮かべて寝てる遼太くんがいて

もしかして、、

お腹の子、、

助けられなかったのかなって、、

すこしだけ嫌な予感が頭を過ぎってくの……



遼太くん、

おきて、、

おしえて、、?

赤ちゃんは、、 無事ですか、、



「……りょ、、たくん、」

おきて、、

手、、握っててくれて

ありがとう、、

「…ももちゃん、? ……おかえり、、笑」

「……た、だいま、」

「よく頑張ったね… よく戦ったね…笑」

「……赤ちゃん、、だめだった、、?」

もしそうなら、

ごめんね、、

守れなくて、

「ちゃんとね、心臓動いてるよ… ももちゃんががんばったんだよ…」

「……ほんと、、?」

「うん、、 あとで、お腹の痛み治まったら会いに行こ」

いきてる、、

ちゃんと、心臓動いてるんだ、、

うれしい、、、

よかった、、

「おつかれさま……ももちゃん」







まだ、、少しだけお腹の痛みが残るけど

はやく会いたくて……

はやく名前を呼んであげたくて……

遼太くんの手を借りて

あの子のところまで、

会いにいくの……



「……緊張、、する、、」

「だいじょうぶ。 待ってるよ、」

うん、、

やっとあえるんだね、、

ずっと、、あいたかったの、、


「あ、お母さんお父さんこんにちは笑」

お母さん……

そっかあ、、もう、ままだ、、

「赤ちゃん…待ってますよ。 さわってあげてください」

「……いい、、ですか、」

「赤ちゃんは、お母さんの手ちゃんと分かるんですよ」





ちいさい、、

でも、、エコーでみたときよりちゃんと、、

ちゃんと、、どくんどくんって

同じように跳ねてる……


「遼太くん…」

「ん?ももちゃんどうしたの」

「……いきててよかった、、」

この子にあえてよかった、、

ぎゅぅって握り返してくれる

ちいさな手が…

こんなにも愛おしいの…


「……そ、、だね、、」

「……生きて、て、くれて、、ありがと、」


遼太くん、、

いつの間にそんな泣き虫になったの、、

でも、、心配たくさんかけてごめんね、、


「遼太くん、、なまえ、呼んでいいかな……」

「うん、ももちゃんから、、呼んであげて?」

ずっと、、

決めてたんだよ、、

男の子ってわかった時からずっと、、

「結仁(ゆいと)……」

呼べた、、

やっと、、

呼べたんだ、、


「……結仁くん、いいお名前ですね笑」

「ここも、、倉塚 結仁くん に変えておきますね笑」

「……ありがとうございます。」


ちいさな手の感覚も

遼太くんの涙も

ぜんぶ、、

愛おしい……



1794g

まだちいさいけれど

産まれてきてくれてありがとう………

結仁……