きみがスキ


遼太 side

優しく眠る愛しいひとのそばで

頬に流れる涙をそっと

起こさないように

拭った。

「いなくならないで……」

夢の中でどんな辛いことをみてるのかな、

どんな、、悲しいことが起きてるのかな、、、

夢の中で、俺助けに行けてんのかな、、

静かに眠るももちゃんの手が

小刻みに痙攣しはじめて

自分でもわからなくなった

ナースコールで呼び出した時も

先生から説明を受けた時も

話し半分で……

病室で眠るももちゃんの

寂し気な寝顔に

胸が痛い……

「このままなら母子共に危険で…」

「最悪どちらかを選ぶときがあるかもしれません……」

「その際は、、同意書の必要もありますので、、」

どちらかを選ぶってなんだよ、

どっちも助けてくれよ、、

同意書って、、

どっちかを死んでくれって

そう言ってるようなもんだろ、、

「……どっちも、、助けて、ください、、」

「最善は尽くします。」



ゆっくり目を覚ますきみに

なんて声をかけたらいいのかわからなくて

なんて伝えたらいいのかわからなくて

傷つけたらごめんね、

でも、、もし、

もしね、、

最悪なことが起きるのなら……

俺は、、

ももちゃんを選ぶよ。





手術室のランプが赤色に点灯して

このなかで、ももちゃんは戦ってるんだね……

握る手もない、、

不安も拭えない、、

看護師さんから預かった

ももちゃんの指輪を固く握りしめながら

ただ時間が過ぎるのを待つだけ、、

「遼太くん、、!」

「お義母さん……」

「……桃羽は、、」

「手術…してます、、 帝王切開で、、」

「最悪の事態も……あるかもって、、」



助かってくれよ……

3人で帰りたいよ……

いつも、、

ももちゃんにばっか

苦しい思いさせちゃってごめんね、

代わってあげられなくてごめんね、

「……遼太くん、深呼吸しなさい、、」

「桃羽も赤ちゃんも助かるよ。大丈夫よ、、」

「……ままはね、、強いんだよ。 だから、、」

「ぱぱになるんでしょ? 遼太くんも、強くなりなさい。」



……

「はい、、」

まってるからね、、

ふたりとも、、

まってるから、、