きみがスキ


入院生活も

1ヶ月を過ぎて

病室の窓から見上げた空は

晴天の奥にもくもくと入道雲の夏空


このところ

胎動とは少し違う

お腹の痛みで あまり起きていられなくて

もしかしたら予定日より1ヶ月早く産まれるかもって


『焦らなくてもいいのにね笑』って

笑いながらおなかとわたしを撫でてくれる

遼太くんの手に触れながら

また静かに目を閉じて



あなたの夢をみたの……

まだ、、

足も手も小さくて

ひとりで泣いているの

手を伸ばしても、、

掴めない……


おねがい、

どこにも行かないで、、

こっちにおいで、、


「……いなくならないで…」



目を開けると

周りには見慣れない機械と

賑やかなお医者さんたちの声

遼太くんの焦る顔……


「りょ、、たくん、、?」

「ももちゃん……」

「どう、、したの、、」

「………手術だって、、 帝王切開で、、」

「なんで、、」

どうして、、?

朝まで普通だったのに、

「……少し赤ちゃんの様子がおかしいんだって…」

「お腹の中で亡くなっちゃう前に、、安全なところにってはなしでね、、」

安全なところ……

赤ちゃんは、、

安全なところにいなかったの、、

どうして、、

「……遼太くん、ごめんね、」

「……っ、、謝らないでよ…… だいじょうぶだよ、、」





「倉塚さん…今から手術室に移動しますね、」

「大丈夫ですからね、、 落ち着いてくださいね」

肩を支えながらゆっくり話してくれるのに

上手く目が合わない……

この子だけでも、、

最悪、、

「この子だけでも、、助けてください……」








手術室の眩しいくらいのライトが

金属音と心電図の音が





酸素マスクから

静かに深呼吸をするように

深い深い眠りに落とされるように


ゆっくりと……

目を閉じてく……