なかったことにはならないし
歪んだ愛に巻き込まれた事故かもしれない
それでもあの日の
あの1夜は地獄のように長かった。
ずっと待っていてくれた家族がいて
ずっと待っていてくれた友達もいて
ずっとずっと待っていてくれた遼太くんがいた。
それ以上に幸せなことってきっと
この先は無いのかもしれない…
まだ震える足で
手を繋いで歩く登下校も
今日が最後…………
今日だけは学校に行きたかったから、、
みんなと、、お別れしたかったから、、
「ももちゃん大丈夫?」
「うん…… 少し、こわい、、笑」
「…………手、離さないから。 ずっと」
うん、、
離さないで欲しい、、
今日だけは、、ほんとに、、
どこかに行くこともしないでほしい、、
「桃羽おはよ」
「ちびちゃんおはよう笑」
「櫻井さんおはよう」
「ももは、、おはよ、」
「桃羽…おはよう」
「…………みんな、おはよ、」
「ももちゃんくるの、みんなで待ってたんだよ笑」
校門前にみんなで、、
うれしいな、、
たまたま同じ塾だった遼太くんと清水くんが
たまたま同じクラスになって
初めて話しかけてくれた
瑠愛と美穂ちゃんがいて
1年生の頃からいっしょにいてくれた森本くんもいて
ずっとずっと幼なじみとして
親友として、隣にいてくれた栞がいて
「…会えて、、よかっ、た、、」
泣かないって決めてても…
今日くらいいいよね…
卒業式だもんね…
いいよね…
…
…
噂は残酷にも広がってるし
被害者という視線すらも今はこわい…
ままから話してもらって、
登校は別室で
卒業証書も
体育館ではなくて
同じく別室で
そこには、、遼太くんもいてくれて。
みんなも、、何故だかいてくれて笑
でもそれも嬉しくて……
式典中取り残された私たちは
高校生活の他愛のないことで
笑いあって
思い出して
たまに泣いて
となりに、、
ずっと繋いだままの手があって、
「遼太くん、、楽しいね笑」
「……そ、、だね、笑」
「泣かないで、、遼太くん、、」
泣かないでよ、
楽しいんだよ、
笑っていてよ、
ほんとに、、最後みたいじゃん、、
…
…
1人ずつ名前を呼ばれて
1人ずつ卒業証書を受け取って
簡易的な卒業式が ちいさな教室で…
「櫻井 桃羽。」
「……はい、」
「3年間、よく頑張りました……」
「そして、、また登校してきてくれてありがとう」
「卒業、おめでとう」
「ありがとうございます……」
一瞬だけ離れた手が
不安を加速させるように
席に着いた時
手繰り寄せるように手を繋いだ……
まだ、、こわいの、、
男の人と対面するのがこわいの、、
…
…
「ちびちゃん、、またね?」
「清水くん、ありがとう…」
「栞と会う時にでもまたいつか会ってよ笑」
「うん、、」
ありがとう、、
また、会おうね、、
「「桃羽…………」」
「瑠愛、美穂ちゃん、、 仲良くしてくれてありがとう」
「また出かけようね?女子みんなで」
「…うん、笑」
女子会、、したいな、、
お泊まり会も、、
したいな、、
「櫻井さん、……幸せになってね」
「森本くんも、、ありがとう。」
遼太くんへの気持ち気付かせてくれて
背中を押してくれて
ありがとう……
栞、、、
お別れしたくない、、
「……栞、、行かないで、」
「桃羽… ごめんね、、いっしょにいれなくて、、」
「……ごめんね、、」
あの日のこと、、
きっといちばん気にしてたの
栞だと思うから、、
「……もう、、喧嘩しちゃだめだよ、」
「うん、笑 早くアイス代返せ、、笑」
「聞こえない……笑」
…
…
ほんとに、、
またねの時間……
みんなの小さくなる背中を
遼太くんと並んで見送るの……
寂しくなるね、、
「……寂しくないよ、笑」
「ももちゃん、、またみんなで会えばいいんだって」
「ゆずの請負いだけど笑笑」
「ふふ笑 そうだね、笑」
「帰ろっか、」
うん、、
帰ろう……
もうずっといっしょにいるの。
あの日から、、
ずっと遼太くんがいるの、、
眠れない夜にずっと手繋いでくれて
パニックになった時は
ずっと抱きしめてくれるの
ずっと、、
もうずっと、、
いっしょがいい、、
