「ねぇまま……少し話聞いてほしい…」
「まだ寝てなかったの。」
「ゆずにはまだ聞かれたくなくてね、、」
進路の話したいの。
この先のことは
ひとりじゃ決めきれないから……
「ここの大学に行きたい…」
「……桃羽が決めたこと、、?」
「うん。悩んだんだけど… 学びたいのはここ、、なの」
「学びたいならそこに行くべきだと思うよ。」
「…でも、ゆずのこととか、、」
ここからは通えなくなるし、
どうしても、、ひとり暮らしになるから、、
ままの負担考えたら…
ゆずのこと考えたら…
「桃羽はお姉ちゃんだからね…」
「たくさん我慢させちゃったよね…」
「そんなことないよ、、」
「いいの。気にせず頑張りなさい。」
「……ほんと、?」
いいの、、?
なかなか、帰ってこれないよ……?
ここから、、3時間も離れてるんだもん……
「桃羽いないと寂しくなるなー…笑」
「まま、、」
「泣かないの笑 大丈夫だから、、」
ごめんね
自分の気持ち優先しちゃって
ほんとうにごめんなさい、、
「応援してるよ。ままもぱぱも、、もちろんゆずも」
「うん……」
「がんばりなさい、桃羽」
「ありがとう、、」
…
本屋さんで見比べてた参考書のひとつを
レジに通す瞬間はやっぱり少し
少しだけ緊張する
高校は栞が行きたいところに着いてきただけ、
ゆずのお迎えの負担にもならないからって、
ちゃんと自分で選んだのははじめてだから
この選択が正しかったかなとか
まだわからないけど
正解だったらいいな
帰り道
会えたらいいなって遠回りしながら
大晦日の日に会いに行った公園の近くを通り過ぎた
閑散とした公園の
屋根のあるベンチの下に
見覚えのあるシルエットに
思わず駆け寄った。
「遼太くん……」
「あれ、桃羽?どうしたの、」
「本屋さん行った帰りにお散歩」
「そっか笑 進路、決まったんだね…」
右手にもった袋から透けちゃったかな…
ちゃんと話したかったのに…
「……東京の大学を受けようと思うの。」
「そっか、」
「学びたいことできたの。」
「うん、」
「離れちゃう……の、、」
「そう、だね……」
「……さみしい、」
さみしいの、
たぶん遼太くんは
『がんばれ』って言ってくれるから
引き留めてはくれないから……
寂しいよ……
「ももちゃん、、おれもだよ、」
「おれも寂しい…」
触れる距離にいるのに
まだ離れてもないのに
すごく遠く感じちゃうのはわたしだけなの、、
「俺もね、、受けるところ決めたんだよね。」
「……どこか、聞いてもいい?」
「うん、笑 あのね、、福岡の福祉も学べるとこ、、」
「だから…ここから2時間くらい離れちゃうのかな、」
…
…
想像してたよりも
もっとずっと
遠くに行っちゃう…
買ったばかりの参考書も
さっきより重たい、、、
「…ももちゃん?」
「ごめん、、泣いて、ないから、、」
「泣いてるじゃん……笑」
「ちがう、、」
「……遠すぎるよ、東京と福岡じゃ、、」
「そうだね、笑 会えなくなっちゃうかもね、笑」
そんな風に
悲しそうに笑わないでよ、、
まだ、、揺らいじゃうよ、、
遼太くんと、、
お別れしたくない、
「そろそろ帰んなきゃ……」
「りょ、たくん、、」
「またね、ももちゃん、、」
…
…
なんで、、
振り返ってくれないの、、
なんで、、 こんな遠くなっちゃうの、、
