きみがスキ


梅雨の季節はどうも風邪をこじらせる…

埃っぽいせいか

気温の不安定さか

最近、、

ゆずがずっと熱っぽい…



「ゆず……おねつどう?」

「ももちゃ、、ちゅらい、」

もうずっと、

膝のうえで苦しそうにして

「ももちゃ、きもちわる、、」

「ゆず〜、、袋にだせる……?」

「もも、、」

「ゆず、?ゆず、、?!」

ど、しよ、

意識…

救急車…

何番だっけ…わかんない、


ゆず…

痙攣が、、







「まま、、ゆずがね、、ゆずが、」

「桃羽落ち着いて……」

「わたしがみてたのに、、」

「みてたのにごめんなさい、、」

「肺炎って、、気づかなかった、、」

わたしが、

いちばんいっしょにいたのに、

ゆずが苦しんでたのしってたのに、

ごめんなさい…

ごめんなさい……

「桃羽、、桃羽のせいじゃないよ。」

「でも、、」

「落ち着きなさい桃羽までパニックになってどうするの」

まま、、

まま、、、

こわかったの、

ひとりでいるときにね、

意識がなくなって

痙攣して

死んじゃうんじゃないかって…

こわかったの、、

「こわかったの……」

「1人にしてごめんね…桃羽……」









ゆずの手を握っても

ゆずの名前を呼びかけても

もう2日経ったのに

ピクリとも反応しないの…

『時期に目が覚めると思います』って

言われたのに…

なん、、で、、

ゆず、、、


「桃羽、帰ろう。1度家に」

「ゆずが目さめた時ままもわたしもいなかったら、、」

いなかったら、、

ゆず泣いちゃうよ、、

さみしいはずだよ、、


「桃羽もうずっと寝ず食べずだよ……」

「桃羽まで倒れちゃうよ、、」

でも、、

わたしが悪いの、、

わたしがちゃんと見てれば、、

「……ままだけ先帰って、」

「……明日も仕事でしょ。わたし大丈夫、、」

大丈夫だよ、、

お姉ちゃんだもん、、

ゆずのお姉ちゃんだもん、、






3日、4日と、、

ゆずが目を覚まさなくて…

もう、、震えとか苦しさとか、、

ゆずが居なくなっちゃうんじゃないかって不安とか

「……ゆず、どうしたの、、」

「はやく、、目覚ましてよ、、」

お姉ちゃん寂しいよ…

ももちゃん、、ゆずが起きてくれないと

おうち帰れないよ…。寂しいよ…。





桶に水汲んでこなきゃ……

ゆずの身体拭いてあげないと、、

あ、、

ふらってする、、

だめなのに、、

わたしなんかが、、

へばったらおわりなのに、、

「桃羽っ!!!!」

「桃羽!大丈夫…?ももは、、もも__」


遼太くんの声がする

そんな気がする、、

幻聴かな、、

怖いな、、



そういえば

いつご飯食べたっけ

いつ飲み物読んだっけ

いつ寝たんだっけ、、

わかんないや、

わかんない、



ゆずが産まれた日のことを思い出したの

切迫早産でままの近くにいれなかったし

病室もなかなか入れなくて


ままもぱぱも

ゆずにとられちゃうって

すごい寂しくて、ゆずがおうちに来た日

こんな子いらないって泣き喚いたんだよね…

でも、『ももちゃん』ってたくさん呼んでくれて

『だいすきだよ』ってまだ少し濁った声で


気付いたらね、

ももちゃんもゆずがだいすきだったよ

ゆず……ごめんね。ちゃんとみてられなくて

お姉ちゃん、またゆずのこと困らせちゃうね…


ごめんね……


「ももちゃん、、泣かないでよ……」

「夢のなかでまで責任感じちゃつらいでしょ…」

あったかい……

遼太くんの手かな、、

また心配かけちゃったかな



「りょ、うた、、く、、」

「…桃羽?大丈夫?」

「うん、、ごめんね、、」

ごめんね……

ゆずのとなり、

補助ベッドの硬さが

冷たくて寂しくて

まだ眠ってるゆずが

遠く感じる…

「……泣かないで、謝らないで、、」

「ももちゃん、、おれはいるよ。 ゆずもちゃんといる。」

「ももちゃんの身体も大切にしてくれないと……」

「……俺も寂しいよ。」







栄養失調と睡眠不足

点滴で横になってる間も

ゆずが心配で

左をみたらゆずが起きてないかなって

期待と寂しさと悔しさで

ゆずの方に伸びてた手を引いてしまう。


「…ももちゃん、ゆずの手あったかい。」

だからね、、

こうやって言ってくれるのも

下げてしまった手を引いてくれるのも

遼太くんなの。

それだけが心強くてね。


撫でられた頭とか

ゆずを見つめる顔とか

ほんと、、

「遼太くん、、」

「ん?なにか欲しいのあった?」

「ううん…… ありがとうって、、」

「うん、笑 はやくももちゃんが元気にならないと」

「ゆずに俺が怒られちゃうかも…笑」


そう、、かもね、、笑

はやくよくなるね、

そしたら、、

よくなったら、、

「動物園、、」

「うん。行こうね、3人で」

やくそく、、