きみがスキ




12月の季節外れの台風

ままが仕事で家をあけることになって

わたしとゆずとふたりでお留守番する予定が


『明日、台風来るらしいけどお母さんいるの?』

ってたった1通のメッセージによって

急遽、3人でのお留守番になりました。



「…遼太くん、雨大丈夫だった?」

「まだ小降りだったけど、このあとすごいらしい…」

「ごめんね、、こんな日に……」

「いーよ?ふたりだけじゃ心細いでしょ笑」

ゆずいるから

ぎゅってするの我慢するけど

いつもこうやって先回りして優しさくれて

付き合ってからもうすぐ1ヶ月半経つのに

好きが更新してくばかり……


「りょた!だっこ!」

「ゆず~!久しぶり~!!」

「あっちでゆずと遊んでるから家のことやってていいよ」

「……ありがとう。お昼はシチューです笑」

「たのしみにしとく笑」


キッチンにいても

ゆずと遼太くんの

たのしげな笑い声が響いてきて

外の暴風音も 雨音も

2人にかき消されて

こわくない、、

「めっちゃいい匂いする、、笑」

「もう少しで出来るからふたりとも手洗ってきて?」

「ゆず~ もうすぐご飯だって!手洗いに行くぞ~」

「りょたー!追いかけっこ!」

「よしゃ、よーーい?どんっ!」


苦しいほどしあわせ

遼太くんのお嫁さんになる人は

きっとしあわせだよ、、って

もうここ最近ずっとそんなこと考えてる

妄想癖でもついたかな、、笑


…

…

「ももちゃんおいしー」

「ほんと?よかったあ笑」

「りょたもおいし?」

「うん笑 おいしいよ?」

…

…

「「ごちそーさまでした」」

「はぁい」

「桃羽?お皿俺洗うからさゆず代わりにみて?」

「ん?わかった。ありがと」

ゆず、、?

あ、お手洗い……

ほんっと、、遼太くんってすごい、

「ゆずお手洗いいこっか?」

「うん、、ももちゃん手繋ぐ」

「はいどーぞ?」

小さい頃からぱぱは単身赴任で

ほぼ家にはいなかったし

ままは仕事でバタついてて

ゆずの面倒はあたりまえにひとりでみてて

でもたまにわたしのこともみてほしいって

わがままに寂しくなる日もあったけど

ひとり家族が増えたみたいに

あたりまえに家に来てくれて

ゆずとも遊んでくれて

柱の影から

そっと覗きた

遼太くんはもうぱぱさんすぎるよ。

「ん?笑 桃羽?どした」

「ううん笑 このあとトトロみる?」

「懐かし笑 3人でみよっか」


ソファーにもたれて

少し肌寒い

夕暮れに

「ゆず寝ちゃった……」

「あ、、笑 なんかかけるものある、?」

「そこにブランケットあるの」

「………あった。ゆず~?おやすみ」

「ふふ笑 遼太くん ゆずの扱いに慣れてきたね笑」

「もう娘みたいだよ笑」

「遼太くんはぱぱさんしてた笑」

「じゃあ、、桃羽は俺の奥さんになる?」

「……しあわせ、、だろうなって思ってた」

「ゆずいなかったら完全に食べてたわ、」

…

…

目が合って

ゆずを挟んで

ほんの少しだけ

いつもより長めのキス、、

「ゆず~、、お前いなかったら俺やばかった…」

「ありがとな。姉ちゃん守ってくれて、、」


…


17:00

膝の上でぐっすりのゆずを撫でながら

うとうとと睡魔が襲う……

「桃羽…風邪ひいちゃうからゆずとふたりで寝てなよ」

「ん、、ご飯用意しないと、、 ままも帰ってくるし…」

「あー、、ご飯は俺代われないや、、」

「ふふ笑 ゆずを畳の部屋に寝かせてくれると……」

「ん、連れてくね」

もうだいぶ大きくなって

わたしでも抱っこするの一苦労なのに、、

軽々と連れてっちゃうんだもん…すごい、

…

「ゆず布団に寝かせたよ。」

「俺にできることある?お母さん帰るまでここに居るし」

「んー、、ないかも笑 ゆっくりしてて?」

「そか笑 じゃあゆずのとこいんね?」

「うん、、あ、まって?」

ちょっとだけ…

さっきから雷すごくて

ちょっと手震えてたから…

「桃羽たまにこうやって後ろからしてくるよね」

「…だめ、、?」

「俺は、前からされる方が好き。頭撫でれる」

「……じゃ、こっち、、」


安心する…

遼太くんの匂い、

居なくならないで、

「あっ、桃羽……停電した、」

「えっ、ど、しよ、」

「ブレーカー俺見てくるからさゆずの方見てきて?」

停電……

何も見えないよ、、

ゆず…? 大丈夫……?


あ、、ままから着信…


「まま…?」

『桃羽?大丈夫?』

『家の方一帯停電したって聞いて』

「うん、、ちょっとこわい。」

『電車も動かなくてまだ帰れそうにないの。』

『ゆずと2人?遼太くんもいるの?』

「3人で…… 」

『そう、、じゃあまだ復旧しなそうだし3人でいて?』

「わかった、、」

…

「桃羽、?ブレーカーつかないわ、、」

「ここら辺一帯停電してるってままから、」

「とりあえず、ゆずのところ行こう? 起きる前に…」

停電……

今は、遼太くんもゆずもいる、、

大丈夫、、 大丈夫、、

あの時とは違う…

ひとりじゃない…

「桃羽… ごめん、おいで。」

「りょ、、たくん」

「うん。いるよ、手繋いどこ。離れないからさ」

「ごめんね、」

小さい頃ね、、

ままもぱぱもいないときにね

停電でひとりになったときね

こわくてね、、

ちょっと思い出しちゃった…

お姉ちゃんなのに…

ゆずいるのに…

「ももちゃん、、りょた? おへやくらい」

「ゆず?大丈夫。りょたもももちゃんもいるからね」

「りょた、?おひざいってい?」

「おいで?笑 桃羽ももっとくっついてて」

「「あんしんする、、」」

「ふっ笑 姉妹だな…ほんと笑」


それから2時間ほど

停電したまま

遼太くんの腕のなかで

ゆずとふたり眠りについた…

たまに撫でられてる感覚が

懐かしくて

嬉しくて

すき。


「りょた、、くん、」

「……なーに、ももちゃん。」

だいすきだからね、、

ずっと、